by デヴォン・ハワード
ラホヤのパール・ストリートにある地元のサーフショップ「ミッチズ」の神聖なドアにはじめて足を踏み入れたことは、私にとっては通過儀礼のようなものでした。
少年サーファーだった10 歳の私は、店内の狭い壁の棚にびっしりと置かれたサーフィンやスケートボードのギアにすっかり圧倒され、呆然とその場に立ち尽くしながら、店の奥に並ぶパーリントンやベセール、クレイグ、ステープルといった真新しいサーフボードで波に乗る姿を想像しました。そしてカウンターのガラスのショーケースに入ったガルウィングのトラックやライザーパッド、OJ ウィール、パウエルデッキ、ステッカー、グリップテープなどを、よだれを垂らさんばかりに眺めました。そうした品々は、その後の誕生日ごとに両親にねだって買ってもらうようになりました。
10 代前半の私はこの「行きつけの店」で、買えるはずもないギアについて日焼けした店員や常連サーファーたちに他愛のない質問をしながら何時間も過ごしました。そして彼らはそんな私を迷惑がることなく、いつでもつき合ってくれました。ミッチズに出入りするには会員証をもったメンバーである必要はなく、しつこいガキも初心者も地元の大物サーファーも、誰もがいつでも快く迎えられている気分にさせてもらえました。ミッチと彼の熱心なサーフィン仲間たちは、足しげく店に通う私のことや私がサーフィンに望むことをよく理解してくれるようになり、そうした彼らの知識とアドバイスは私がサーファーになるうえで計り知れない貴重なものとなりました。
[フレッチャーズ・シュイナード・デザインズの Fish(フィッシュ) を運んでいるのがデヴォン・ハワード。パタゴニア・カーディフ、カリフォルニア 写真:Jeff Johnson]
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by 小泉 壱徳 (国内循環古着プロジェクト 代表)
日本の古着のほぼ90%が、回収されることもなく焼却されつづけている。国内でのリサイクル回収率はおよそ古紙60%、アルミ缶90%に対し、古着はわずか10%。リサイクルやリユースが多く叫ばれるなか、古着はその入口にも立っていない。良いものを大切に着る時代から、ファストファッションの台頭でライフサイクルが短い時代がきている。大量生産、大量消費、大量破壊の一方通行の流れをそろそろ変えなくてはならない。
実際に自分が捨てた古着がどこでどう処理されていくのかご存じだろうか。資源ごみとして古着を回収する自治体や団体が近年増えており、それらは古着専門の回収業者によって一か所に集められる。資源ごみとして回収していない自治体もまだまだ多く、それらは残念ながらそのまま焼却ごみとして燃やされている。またわずかではあるが、古着屋への持ち込みやオークションでの販売も広がっている。
古着回収業者によって集められた古着は細かく選別され、用途ごとに分けられていく。用途は大きく分けて3種類で、反毛(はんもう)といわれる過程を通して綿や糸などの原材料として使われるものが約30%。古着を一度綿に戻して糸にし、フェルトや軍手の材料として利用するのだ。この作業には漂白剤などの化学薬品が大量に使われるだけでなく、多くのエネルギーもかかってしまう。その他の用途としては、ウエスとよばれる工場などの油を拭いたりする工場用雑巾としての用途が約20%。しかし大きさをそろえたり、原料古着の質をそろえたりと手間がかかる。そして残りの約50%が中古衣料として海外に輸出されている。おもに日本人の体格に合ったアジアや中東に輸出され、夏物の需要が多く冬物は行き場が少ないのが現状で、今後この課題をどうしていくのかにも注目していく必要がある。それぞれ資源として有効活用はされているものの、いまの国内の古着を取り巻く状況では、リサイクル製品にかかるエネルギーや輸送にかかるエネルギーなど、課題は山積みだ。
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by マイケル・キュウ
第8章:「珊瑚の隠れ家、深い海」より
この環礁は「ロマンスと冒険の交差点という他は何もない場所」への途上にある。サーフィンとブランチのあと、イヴォン と僕はスキフに乗って、この環礁へと接近していた。フランソワがモーターを止める。浮かんでいるのは濁った場所や魚罠からは遠い、トルコ色の快適なラグーン。この砂のフラッツはボーンフィッシュの生粋の住処だ。近くにはポリネシアの最も重要な木であるココナッツの密集林に面して、数軒の朽ち果てた釣り小屋が並んでいる。それはかつて無限に思えた魚の乱獲を、哀愁的にのぞかせている。
「ここにはあまり魚はいないな。一日中探しても、一匹も釣れないときもあるだろう」 あたりを見回しながら、イヴォンは言う。「クリスマス島とか、それ以外でもあまり人の住んでいない場所、つまり乱獲されていない場所なら、400メートル行くか行かないうちに魚がかかる。ここには遠海魚は少しはいるだろうが、かなり釣られてしまっている。タヒチに近づけば近づくほど」 フライロッドとカメラ、そして淡い期待を持って、スキフを降りる。イヴォンは水中をサーチして歩くと、砂と珊瑚のノブに向かってキャスティングする。
[写真上:ボーンフィッシングの一日のために準備するイヴォン・シュイナード。写真:Michael Kew]
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パタゴニアでは環境問題解決の支援として、1985年より現在まで総額4,600万ドル相当の寄付を、1,000以上の環境活動グループに行っています。日本支社でも「環境助成金プログラム 」を通じて、日本国内の草の根環境グループを支援しています。
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また私たちが関心を持っている環境問題にお客様にもかかわっていただくための機会に、「ボイス・ユア・チョイス 」があります。昨年秋に実施した「ボイス・ユア・チョイス Fall 2011」では全国のパタゴニア直営店およびウェブサイトにご訪問いただいたお客様5,668名に投票のご協力をいただき、全国34の団体に総額 5,950,000円の助成金の寄付を行いました。東京・神田ストア では助成先として、〈彩の国資源循環工場と環境を考えるひろば〉と〈荒川の自然を守る会〉の2団体を選出しました。今回はこの2団体から届いた活動報告と、「ボイス・ユア・チョイス」に参加しての感想をご紹介します。
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by 金子ケニー
世界各国のトップパドラーが集まる一人乗りアウトリガーカヌー世界大会「Kaiwi World Championships 」は、モロカイ島のカルアコイからオアフ島のハワイカイマリーナのKaiwi海峡を横断するレースだ。この海峡はハワイで「Channel of Bones(遺骨の海峡)」と知られている海峡で、ハワイアンや古代ポリネシアの人びとがアウトリガーカヌーに乗って航海する、そして非常に荒れることで有名である。普通に漕ぎの速さを競うレースではなく、ハワイの文化や歴史を祝い、荒波や強風や海流を味方にしながら52キロメートルのあいだハワイの大自然とどれだけ調和できるかが試されるレースだ。今回は人生2度目の参戦となった。
モロカイ島の北西側にあるカルアコイへ到着。モロカイ島を訪れたことのある方はご存知だと思うが、この島に町は1つしかない。信号などは1つもないぐらいの田舎だ。スタート地点のカルアコイにはもちろんWi-Fiや電波など飛んでいない。モロカイ島では、日本やワイキキで聞こえる飛行機や車の音ではなく、耳に届くのは鳥の鳴き声や力強い波の音、そしてヤシの木を揺らすトレードウィンド。イノシシや七面鳥といった野生動物を見かけることも珍しくない。レース4日前にモロカイへ到着するとハワイの大自然のパワーを感じ、ここに来るまでのプロセスを振り返る時間がはじまる。そしてレースがはじまる。
【写真上:97人のパドラーたちがまだ見えぬオアフ島に向かってスタートする】
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by 東知憲
僕たちのキャプテン、グレッグは言いつづけた。「想像したよりも、自然は力強かった。レッドフィッシュたちは、むしろ記録的な数で帰ってきている。これにはハリケーン・カトリーナの『洗浄効果』も関係していると思うけれど……」
海のフライフィッシングを追いかけている人の多くは、2年前の4月に発生したBPディープウォーター・ホライゾン油井事故 の映像を目にして、思ったはずだ。「メキシコ湾岸はひどいことになるな」 オバマ政権で環境とエネルギー行政を担当していたキャロル・ブラウナー大統領補佐官によると、米国が目にする最悪の環境事故を起こしたその海底油井は、推定 78万立方メートルの原油を海に放出したあと、閉鎖にいたった。日本の道でよく見かける、各石油会社のロゴが入ったタンクローリーの容量が最大で30立方メートルなので、流出した原油の量はタンクローリー2万6,000台分となる。
【写真上:30 ポンドを超える体は、スタミナもある。魚に負担をかけず、できるだけすばやく、手元に寄せたいのです】
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パタゴニアの直営店やカスタマーサービスでは、ほぼ一週間に一度の割合でパタゴニアのウェアの製造についての質問をいただきます。どこで製造しているのですか? 中国で作っていますか? なぜですか? なぜここ、アメリカで製造しないのですか? 工場の労働条件は?
そこでより詳しい情報のリンクを含む、少し長めのブログ記事を書くことにしました。
まず、パタゴニアは自社の農場/繊維工場/製造工場をもっていません。けれども、私たちの名のもとに行われていることが目に見えないわけではありません。私たちはパタゴニアの製品を作るすべての労働者とパタゴニアのラベルが貼られた製品を成すすべてのものに責任があります。
私たちのサプライチェーンで他の人のために働く人たちに、私たちが何を請け負うべきか、私たちは長いあいだ問いつづけました。テクニカルウェアには確固とした縫製水準を、またカジュアルなスポーツウェアにすら高い縫製水準を適用しています。品質要件を満たすためにパタゴニアの製造スタッフがつねに惹かれてきたのは、経験を積んだ縫製オペレーターを雇用する清潔で照明のよい工場です。価格や条件についても工場と交渉してきましたが、最低コストの労働を追求したことはありませんでした。
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by 横山 勝丘
今日も外は強風が吹き荒れている。ここは地球の裏側、アルゼンチンはエル・チャルテン。パタゴニアの山々を登るためにここまでやってきたぼくたちだったけど、ここ数日間、小さなこの町で悶々とする日々を過ごしていた。いつもより早い昼飯を食べ終えたぼくとハナ、そして宿で出会ったデラ、3人の即席日本代表は、街のすぐ裏手にあるボルダーに向かった。今日はここでボルダリングコンペがあるというのだけれど…。エントリー開始の13時に合わせて会場と思しき池のほとりに着いたが、風吹きすさぶ草原には誰もいない。待つこと30分、ようやくポツリポツリと人が集まりだした。そうか、ここは南米だった!ここに滞在を始めて2週間あまり経つけれど、南米時間への順応にはまだ時間が必要なようだ。
[ ゾロゾロと岩場へ向かう参加者たち 写真:横山 勝丘 ]
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